工事担任者 取得の道しるべ
                                          

  ※非定期に加筆更新しています。 
     
     念のため,  再読み込みをしてみてください!
『 電気気通信技術の基礎 』
 問題1の(2)交流回路  初版 2017/01/02
改版 2020/12/10
 平成23年第2回 〜 H28年第2回までの11回の既出問題を整理して並べてみました
   基本的な原理・原則の応用により,
      簡易な計算で,短時間で確実に答えることができます。

 既出問題の分析
  毎回, 『直列接続』か『並列接続』から1問が出題(5点)されています。 

  こつを掴めば,確実に得点できる貴重なサービス問題です。

  目標回答時間:4分弱(解き方の見通し〜算出〜検算〜回答用紙への記入まで)

  具体的な必要スキル

    LCR 【直列】 接続では,【電圧のベクトル図】
    LCR 【並列】 接続では,【電流ベクトル図】    を自在に描ける力

           そもそも,なぜ直列では電圧ベクトル
           並列接続では電流ベクトルを用いるのか・・・理解していますか?
           
    簡単な三角関数の計算能力 
      (例) 直角三角形の 各辺の比率の代表例 3:4:5・・・・頻出⇒時短回答力が有効に使えます
             直角三角形の2辺に,3,4,5の内の二つの数値が出てきたら,
             残りの1辺は,残った数値になるというものです。
             これを自由に扱えると,驚くほど速く回答にたどり着けます。

          斜辺の長さの求め方(ピタゴラスの定理) ・・・・・・・必須

    平方根の算出能力
       √625=?  逆算法(回答例を二乗し625になるものを探す)で回答見つけれます。
                 もちろん,正攻法で
                 625を割り算できそうな数で次々に割っていく方法もありますが,焦っていると
                 30秒弱でできるこの計算も,数分経っても解けないこともありえます! 
                 そこで,荒っぽい検算力
                   20の二乗は400
                   30の二乗は900
                     625の平方根は20と30の間になりそうと判りますね。
                      答えの選択肢の中に’25’を見つけ一桁目の二乗が25・・・もう決まりですね。

    ※回答法の理解を進める時期では
           正攻法で勉強を進めてください。

    ※回答法の道筋が理解できたら
           4分以下で解けるようテクニックを磨いてください。
           慣れてくると,設問自体が時短回答テクニックが活用できる,作りになっていることに気づく
           と思います。
 
           話はそれますが
           電気設備や回路設計の分野では,仔細な計算は自動化(換算表含む)されている場合が多く,
           細かな計算を筆算で行うことは稀です。
           技術者は,基本原理に基づいた荒っぽい計算で大まかな値をつかみ,目の前の事象に適格に
           対応する役割が求められます。 


【問題1】 (2)交流回路 配点 R02 H31 H30 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23
#2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1 #2 #1
直列接続 a.R L 3回 5点 中止 (a') (a) (a')
b.RLC 5回 (b''') (b'') (b) (b') (b'')
c.RLC 2回 (c') (c)
並列接続 d.LC 5回 (d'') 中止 (d''') (d) (d'') (d')
e.RLC 1回 (e)
f.RLC 2回 (f) (f)
『直列接続』か『並列接続』のどちらかが出題される。

いづれの問題も,基本を押さえていれば確実に答えれる【サービス問題】です。  凡ミスしないよう回答力を高めましょう!




(a) 2016(H28)#2_問題2_(2) 



求められるスキル

  電圧のベクトル図(直角三角形)を描けること
  直角三角形の斜辺の長さを求める力

    求める電圧 =√(24×24+7×7)
            =√(576+49)
            =√625

   625÷5÷5÷5÷5=1  
     から
   25にたどり着くのが正攻法ですが

   この先は,@〜Dの値を二乗して,
   625になるものを探しても良い
     B20⇒400 なのでちがう
     C25⇒一桁目の5の二乗は25
     D31⇒30の二乗は900・・大きすぎ 
      という算段して,答えCにたどり着く。

全く解き方が全く思い出せなかった時は、
  抵抗+抵抗ではないから 24+7=31でない
  L+C ではないから 24−7=17でもない
    その間のBCがあやしいい
    また直流抵抗の電位差より端子a−cが低く
    ないと判断できれば・・・・絞りこめる。
  
(a') 2013(H25)#2_問題2_(2)


2013(H25)#2
H28#2と各素子の値が異なるだけ

step1:電圧のベクトル図をイメージ
step2:求める値は,ベクトル図の斜辺と気づく。
step3:ピタゴラスの定理を思い出す
      求める電圧=√(15×15+8×8)
             =√(225+64)
             =√(289)
  A10 の二乗は100・・・小さい
  C19 20の二乗は400・・大きすぎる
  B17 一桁目の7の二乗・・・49・
                  ・一桁目一致
            17*17=289・・・ヒット
  そもそも、
  二辺の長さが15,8の斜線部の長さは,
  目測でも15より少し大きな値になりそうなこと
  わかる。 またC19の二乗は400に近いし・・・。
(b) 2016(H28)#1_問題2_(2)

    端子a−b間の合成抵抗を求めよ(@〜Dから選択)

2016(H28)#1 合成抵抗を求める

求められるスキル
  電圧のベクトル図(直角三角形)を描けること
   直角三角形の斜辺の長さを求める力  

step1:インピーダンスのベクトル図をイメージ
step2:べクトル図(頭の中)でXとXの差分を用
     いること思い出す
step3:求める値が斜辺だと気づく
     求める値=√(12+(XC−XL)
             =√(144+52
             =√(169)
     もともと,二辺が12と5なので斜辺は12より
     わずかに大きいときづけば・・・Aがあやしい
     @〜Dの一桁目の数値を二乗して9になる
     のは
     A・・・・ヒット
     
(b')
 H26#1 端子a−b間の合成抵抗値を求めよ


H26#1 合成抵抗の算出
求められるスキル
  電圧のベクトル図(直角三角形)を描けること
   直角三角形の斜辺の長さを求める力  

step1:インピーダンスのベクトル図をイメージ
step2:べクトル図(頭の中)でXとXの差分を用
     いること思い出す
step3:求める値が斜辺だと気づく
     求める値=√(12+(XC−XL)
             =√(144+52
             =√(169)
 もともと,二辺が12と5なので斜辺は12より
 わずかに大きいときづけば・・・Aがあやしい
 @〜Dの一桁目の数値を二乗して9になるのは
 A・・・・ヒット
 
(b'')
 H23#2 端子a−b間の合成抵抗値を求めよ



H23#2  合成抵抗の算出 
求められるスキル
  電圧のベクトル図(直角三角形)を描けること
   直角三角形の斜辺の長さを求める力  

step1:インピーダンスのベクトル図をイメージ
step2:べクトル図(頭の中)でXとXの差分を用いること
    思い出す
step3:求める値が斜辺だと気づく
       求める値=√(24+(XC−XL)
             =√(576+72
             =√(625)
     もともと,二辺が24と7なので斜辺は24より
     わずかに大きいときづけば・・・Aがあやしい
   @〜Dの一桁目の数値を二乗して5になるのは
   A・・・・ヒット  たしかに25×25=625
(c)
 合成インピーダンスが10Ωのとき,の値は?
H26#2 
   
求められるスキル

  インピーダンスのベクトル図を描けること
  直角三角形の斜辺が10,底辺が8のときの
  高さXを算出
     10 =√(8×8+X
     100=(64 + X
      X=100−64
      X =√36
        =6
  ここでせっかちに答えはB6 としては残念!
  2Ωを引いて6Ωとなる値 C8Ωが正答

   
(d) H27#2

    端子a−bに交流45vを加えた際の,全電流I(A)
   (@〜Dから選択)


  

H27#2

step1:並列なので、電流のベクトル図で解くと気づくこと
     直流抵抗Rが含まれないので,
     ベクトルは,上向きと下向きのみ
step2:XL,XCとも端子電圧は45V
      各電流は  
   ↓45V / X Ω=15 A
   ↑45V / X Ω= 9 A
step3:
      電流ベクトルの向きは上と下向き
      求める値は,差分なので
        答えは A6A です  
(d')



H24#1

step1:並列なので、電流のベクトル図を使用と気づく
step2:XL,XCとも端子電圧は30V
      したがって各電流は  
   ↓30V / X Ω=10 A
   ↑30V / X Ω= 6 A
step3:
      電流ベクトルの向きは上と下
      求める値は,差分なので
        答えは A4A  
(d'')
H24#2 

H24#2
  【正攻法】
step1:Rの端子電圧がわかれば,
       Iが算出できると気づく。
step2:Rの端子電圧Vabを求めるには,
       RとXの合成抵抗値を算出し
       て・・・・
           
   1/z=√((1/R)+(1/X
     =√(1/9+1/16)
     =√((16+9) / 9*16))
     =√(25 / 9*16)
     =√(5×5) / √(3×3×4×4)
     = 5/12

    ab=ZI=12/5*10=120/5=24 (V)

    IR=ab/R=24/3=8 (A)


  【別の解き方】
     題意から,
     電流ベクトル図を,絶対値でなく相対値で
     扱う方法,
         底辺(I)が1/3
         高さ(Ic)が1/4
           これを通分すると
         底辺(I)が 4/12
         高さ(Ic)が 3/12
           相対値だから
         底辺(I)が 4
         高さ(Ic)が 3
           すると斜辺は5
         斜辺が10Aだから
           Iは4の二倍  ⇒ 8A 

     こちらの方が,計算は早い!

初出:2017/02/12 
改版:2020/12/11   
(d''') (H29)#1_問題1(2)

2020(R02)#2_問題1(2)

H29#1
(d’’)のRとXの値入れ替えただけの違い

 【正攻法】は(d’’)の解き方参照
 【正攻法でない別の解き方】
     題意から,
     電流ベクトル図を,絶対値でなく相対値で
     扱う方法,
         底辺(I)が1/4
         高さ(Ic)が1/3
           これを通分すると
         底辺(I)が 3/12
         高さ(Ic)が 4/12
           相対値だから
         底辺(I)が 3
         高さ(Ic)が 4
           すると斜辺は5
         斜辺が10Aだから
           Iは3の二倍  ⇒ 6A 

     こちらの方が,計算は早い!
(e) H27#1_問題2_(2)  


H27#1
 【解き方】
   各素子の電流を求め,電流ベクトル図で表す
       ※アハハ(お詫び)IとIの向き逆でした!
       ※近日中に直したいと思います・・恥ずかしい。
       ※答えの算出には影響しませんが・・・。

        

    皮相電流 I は 5A となるから,
    皮相電力は 180V×5A=900VA

    2辺が3および4のとき,斜辺5は,常識。
    忘れたら √(3+4)=√25=5

初出:2017/02/12 
改版:2020/12/11       
(f)
H25#1_問題2_(2)





 【解き方】
   並列回路なので,各素子の端子電圧は等しい。
   そこで,
   電流ベクトル図で各素子の電流を表し
   電流Iを求める
    
   
     I=√(9×9+12×12)
     =√(81+144)
     =√(225)

  回答@〜Dを二乗して,225になるものを探す。

初出:2017/02/12 
改版:2020/12/11 
(f’)
H29#2_問題2_(2)

 【正攻法でない解き方?】
  題意から,
  電流ベクトル図を,絶対値で扱う方法
    底辺(I)が5(A)
    高さ(Ic)が12(A) ← 18−6
           
  5,12なのでいつもの3,4,5の比率使えず
     ので,がまんして計算
  全電流I=√(5×5+12×12)
       =√(25+144)
       =√169  ・・・・この値よく見かけますね
       =13

初出:2017/02/12 

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著作権情報
初版     : 2016/12/29
最終更新日 : 2020/12/10
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